日本社会は男性は外で働き、女性は家庭を守るという風潮が強いことから、結婚を機に会社を退社する寿退社を選択する女性は少なくありません。
寿退社のメリットは、退職後は家庭のことに専念できるということです。また、家事に専念することで、働く夫をサポートしやすくなり、出産後は生まれた子供の成長を身近で見守っていけるので、円満な家庭も築きやすくなります。
ただし、現代社会において、この寿退社を選択する場合は、必ず夫と話し合うことが大切です。寿退社をすると、家庭の収入のすべてが夫の給料だけに限定されるので、共稼ぎをする場合と比べると収入は激減します。1970年から1990年前半までは、世の中の風潮と併せて高度経済期だったこともあり、夫1人でも満足のいく給料が得られました。しかし、1990年代後半から今日に至るまでは、バブル崩壊による経済のダメージで給料の額は伸び悩み、家計の負担は増えています。
また、米中貿易戦争のような経済不安や感染症のようなパンデミックによって、会社の業績が悪化しすると、給料は不安定になるので生活が逼迫することもあります。ですから、寿退社をする場合は、メリットとデメリットを洗い出し、夫ときちんと話し合わなければなりません。
ちなみに、一度寿退社をしてしまうと、家計を支えるために再就職をしたいと思っても、ブランクによって働き口がなかなか見つからないという事態になることもあります。ですから、寿退社をする場合には、再就職がしやすいように、資格取得をしたり、ネットを利用してクラウドソーシングで働くなど、収入を得られる手段を用意しておくといいでしょう。